2020.01.16 掲載
ゲノムから紐解くミヤコグサの環境適応戦略
ミヤコグサは日本全土に自生するマメ科の野草で、南北に長く多様な日本の気候環境に適応してきました。宮崎大学農学部の明石 良教授らのグループは、デンマーク・オーフス大のStig Andersen准教授、Mikkel Schierup教授、東北大学大学院生命科学研究科の佐藤修正准教授をはじめとする国際研究グループと共同で、日本各地に自生するマメ科植物のミヤコグサが自生地の環境に適応してきた過程を明らかにしました。日本各地から採取した136系統のミヤコグサのゲノム解析と、東北大学と宮崎大学の圃場での栽培実験により、ミヤコグサが約2万年前に九州に定着し、その後日本全土に分布域を広げたことを見出しました。さらに、北日本地域への適応には、越冬性と開花調節に関わる遺伝子が鍵となったことを明らかにしました。詳細はこちらへ(東北大学HPへリンク)
以上の研究成果は、2020年1月14日にNature Communications誌に掲載されました。
なお、本研究はJST戦略的創造研究推進事業CRESTの支援を受けて行われました。
【掲載誌】
Nature Communications
【論文】
題目:Extreme genetic signatures of local adaptation during Lotus japonicus colonization of Japan
著者:Niraj Shah, Tomomi Wakabayashi, Yasuko Kawamura, Cathrine Kiel Skovbjerg, Ming-Zhuo Wang, Yusdar Mustamin, Yoshiko Isomura, Vikas Gupta, Haojie Jin, Terry Mun, Niels Sandal, Fuyuki Azuma, Eigo Fukai, Ümit Seren, Shohei Kusakabe, Yuki Kikuchi, Shogo Nitanda, Takashi Kumaki, Masatsugu Hashiguchi, Hidenori Tanaka, Atsushi Hayashi, Mads Sønderkær, Kaare Lehmann Nielsen, Korbinian Schneeberger, Bjarni Vilhjalmsson, Ryo Akashi, Jens Stougaard, Shusei Sato, Mikkel Heide Schierup & Stig Uggerhøj Andersen