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2024.07.11

植物生理学研究室の学生による研究成果が国際的な植物科学雑誌に掲載されました!

植物生産環境科学科・植物生理学研究室(稲葉丈人准教授)の学生による研究成果が国際的な植物科学雑誌「Physiologia Plantarum」に掲載され、78日にオンラインで公開されました。この成果は、佐藤秋友さん(R5.3修了)ら植物生理学研究室の修了生、卒業生、および在学生によるものです。

温帯以北に生息する植物は、死なない程度の低温にさらされると、次に襲ってくるさらに低い温度に対する耐性を獲得します。このプロセスは「低温馴化」と呼ばれており、細胞内では低温馴化中に様々なストレス耐性遺伝子の発現が誘導されます。一方、植物の様々なストレス抵抗性に寄与する「オートファジー」が低温馴化にどのように関わっているかは不明でした。

今回の研究では、シロイヌナズナの突然変異体を用いて、オートファジーの欠陥は植物の低温馴化能にほとんど影響しないことを示しました。むしろ低温下ではオートファジーの欠損に由来する悪影響がほとんど見られなくなること、さらにその原因として低温環境下ではオートファジー活性が抑制されることを見出しました。これらの結果から、オートファジーは必ずしも植物の低温馴化や凍結耐性獲得に必須でないことが明らかになりました。



論文:Autophagy is suppressed by low temperatures and is dispensable for cold acclimation in Arabidopsis
著者:Akito Sato, Sena Inayoshi, Kohei Kitawaki, Ryota Mihara, Kosei Yoneda, Yasuko Ito-Inaba and Takehito Inaba
掲載誌:Physiologia Plantarum, 176, e14409.
論文へのリンク:https://doi.org/10.1111/ppl.14409
植物生理学研究室HPhttp://www.inabalab.org/