地元のスタートアップデイサービス企業にて工学研究科1・2年が高度専門型インターンシップを実施中
2025年9月から本学工学研究科先端情報コース2年の向井直希さんと同1年の竹下宜輝さんが宮崎市内のデイサービス企業「合同会社ウィズケア」にて、専門性を活かした実践型の高度専門型インターンシップ(タイプ4)に取り組んでいます。
高度専門型インターンシップは一般的な会社説明を目的としたインターンシップとは異なり、学生が学業や研究によって高めた自身の知見・スキルを活かして専門的な業務を行うインターンシップです。
本インターンシップは、工学研究科先端情報コース対象の講義で、情野特別准教授が担当する「DX社会実装PBL」がきっかけとなり始まりました。合同会社ウィズケアの佐藤代表を含めた宮崎のスタートアップ企業の経営者が提示するDX課題に取り組み、解決案をプレゼンするスタイルの講義で、向井さんと竹下さんはどちらも合同会社ウィズケアのDX課題に取り組みました。講義での提案に留まらず、その後の社会実装を目指して、インターンシップとして継続することになりました。
具体的な内容は、「要介護状態にならないためのリハビリアプリ」をゼロから構築するというもの。向井さんはシステムの根幹である「バックエンド」を担当。データベースの設計やLINEとの連携システムなど、ユーザーの目に触れない「裏側の仕組み」を構築しています。「単なるプログラミングだけでなく、経営者への進捗報告やフィードバックなど、実際のビジネスと同じプロセスを体験できていることが大きな収穫です」と語ります。竹下さんは、多忙なメンバーを繋ぐマネジメント業務とアプリの音源制作を担当。ミーティングのスケジューリングや議事録作成を通じ、チームとしての合意形成を支えています。「自分に何ができるか模索する中で、得意の音楽を活かしてアプリ内で使用する効果音の作成など、アプリをより良くするアイデアを提案する楽しさを知りました」と、新たな可能性を見出しました。
開発を進める中で、二人が直面したのは福祉の現場特有の難しさ。「自分たちの当たり前が通じない。高齢者の方にとっての使いやすさ、文字の大きさ、スマートフォンの操作感覚など、徹底的にユーザー目線に立つ必要があります」とのこと。現場への見学や佐藤代表と議論を繰り返すことで、技術をどう「優しさ」に変換するかを学びました。
向井さんは「学生生活の最後に、起業の一歩手前のような経験をしたい」という強い思いから本インターンシップの実施を決断。竹下さんは「これまでの自分を変えたい、自信を持てるものを形にしたい」という成長への渇望が原動力となっています。
来年早々にはリハビリアプリが完成予定で、実際にデイサービスの利用者に使用してもらい、フィードバックを受けながら更なる改善につなげていく予定です。
他の学生に向けて「迷っているなら、飛び込んでみてほしい」と二人は口を揃えます。本学では、実務に直結した学習機会の提供を今後も推進し、地域企業との協働を通じて、社会で活躍できる人材育成を実施していきます。