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宮崎県日南大島でソフトコーラルの新種発見 牛の第3胃であるセンマイにちなみ『センマイチヂミウミアザミ』と命名

2024年04月26日 掲載

宮崎県日南大島でソフトコーラルの新種発見
牛の第3胃である葉状胃(センマイ)にちなみ『センマイチヂミウミアザミ』と命名

発表のポイント
概要

 宮崎大学農学部海洋生物環境学科深見裕伸教授、黒潮生物研究所の古井戸 樹(宮崎大学農学工学研究科修了)氏、今原幸光氏の研究グループは、宮崎県日南市の日南大島周辺に生息するソフトコーラルを採集し、分子系統学的および形態分類学的な調査を行った。その結果、そのソフトコーラルはチヂミウミアザミ属 Sympodium の新種であることが判明した。

 この新種は、体の骨片が他のチヂミウミアザミ属の種とは大きく異なる特徴を持っており、その骨片の表面が牛の第3胃である葉状胃(センマイ)に似ていること、また、標本が採集された宮崎県が宮崎牛の産地であることから、この新種をSympodium omasum として記載し、センマイチヂミウミアザミと命名した。

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1. センマイチヂミウミアザミ Sympodium omasum。岩を覆い、そこから沢山のポリプを伸ばしている。宮崎県日南市築島周辺で撮影。水深 -15 m

展 望

 今回の研究成果は、宮崎県の日南大島周辺海域のソフトコーラルの種多様性がさらに高いことを証明するものでした。しかも、まだ名前のついていない種も複数いることが分かっているため、今後、さらに新種として報告されるものが増加すると想定されます。また、ソフトコーラルは増殖速度が速い種が多く、サンゴ群集のパイオニア的役割を担っているため、今後の環境保全を考えていく上で、どのような種が生息しているか

明らかにしていくことが重要だと言えます。

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2. センマイチヂミウミアザミ Sympodium omasumの骨片の電子顕微鏡写真。左が小板型と双頭の2種類の骨片、右上がセンマイチヂミウミアザミに特異的な骨片の表面構造。右下は牛の第3胃である葉状胃(センマイ)。スケールは1 µm

論文情報

Koido T, Imahara Y, Fukami H (2024) A new species of Sympodium (Octocorallia, Xeniidae) from Miyazaki, Japan. Zootaxa 5443 (2): 186-204. https://www.mapress.com/zt/article/view/zootaxa.5443.2.3

公開日:2024年4月22日
国際学術雑誌「Zootaxa」オンライン版:https://www.mapress.com/zt/article/view/zootaxa.5443.2.3

研究者データベース

深見 裕伸 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100000674_ja.html

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宮崎県のサンゴの魅力 https://www.miyazaki-u.ac.jp/agr/books/book-fishery/post-11.html

その他詳細はこちらから

・プレスリリース 2024/4/26
https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20240423_03_press.pdf

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