ニュースリリース
2019年06月10日 掲載
裸子植物ソテツの花が発熱するしくみの一端を解明-ミトコンドリアの特徴的な形態と呼吸鎖バイパス経路の働きが発熱に関与-
宮崎大学農学部植物生産環境科学科・稲葉靖子准教授の研究グループは、理化学研究所環境資源科学研究センター・豊岡公徳上級技師、九州大学大学院医学研究院・林哲也教授らの研究グループと共同で、日本の固有種として知られるソテツ(Cycas revoluta)の花の発熱を、世界で初めてサーモグラフィーで捉えることに成功しました。これまで、ソテツの花の発熱に関しては、よくわかっていませんでしたが、今回の研究により、ソテツの花が発熱するしくみの理解が飛躍的に進みました。今後、花の発熱を支えるしくみの理解が進めば、寒冷環境下における農作物の成長を促進したり、花における匂い成分の合成や飛散を助けたりする技術の開発につながることが期待されます。
この成果は、世界的な植物科学雑誌の一つであるPlant Physiology誌の2019年6月号(米国東部時間2019年6月3日公開)にオンラインで掲載され、同雑誌の表紙を飾りました。http://www.plantphysiol.org/content/plantphysiol/180/2.cover.pdf
また、当該論文は同雑誌6月号の「News and Views」で注目論文としてもハイライトされています。http://www.plantphysiol.org/content/180/2/689
図 ソテツ(Cycas revoluta)雄花の発熱。6月下旬の夜、サーモグラフィーで撮影した画像。発熱により、雄花が赤く光っている。
【掲載誌】Plant Physiology URL:http://www.plantphysiol.org/
【論文題目】題目:Alternative oxidase capacity of mitochondria in microsporophylls may function in cycad thermogenesis著者:Yasuko Ito-Inaba, Mayuko Sato, Mitsuhiko P. Sato, Yuya Kurayama, Haruna Yamamoto, Mizuki Ohata, Yoshitoshi Ogura, Tetsuya Hayashi, Kiminori Toyooka, Takehito Inaba雑誌:Plant PhysiologyDOI: https://doi.org/10.1104/pp.19.00150
【宮崎大学プレスリリース】http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20190604_01_press.pdf
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