宮崎大学
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2018年年頭の挨拶(平成30年1月4日)

2018年年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。それぞれによいお年をお迎えのことと存じます。

昨年の世界は1月20日のトランプアメリカ大統領の就任に始まりましたが、アメリカ第一の追求が未だに続けられています。そして北朝鮮の核実験とミサイル強行も依然として繰り返されています。 

一方ではノーベル文学賞が長崎市出身のカズオ・イシグロさんに贈られたことは嬉しいニュースとして広がりました。しかし押しなべてみると、世界は益々混沌とした状況に入っており、社会の変動も一層激しくなっていることは否めません。

さて、宮崎大学を取り巻く環境も年々変化しています。大学予算の基礎となる運営費交付金の削減はその代表的なものです。学内の皆様には部局の実状に応じた人件費や物件費などの工夫をお願いして、この難局を乗り切るべく大変な努力をしていただいていますが、皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

宮崎大学は地域活性化の中核的役割を果たす大学として、旗幟を鮮明にして走り続けています。その結果を大学の使命である教育や研究の成果にして全日本、全世界に向けて積極的に発信できるよう教職員一同が連携を一層強くして臨んでいるところです。

昨年はその一環として、宮崎市の米良電機産業の寄附による地域デザイン講座が産学・地域連携センター内の組織として立ち上がり、その新棟が木花キャンパスの330記念交流会館前に完成しました。10月30日には多くの方を迎えて開所式を行いました。キックオフシンポジウムは教育学部音楽教育講座の葛西寛俊教授のピアノ記念演奏に始まり、寄附者の米良充典社長のご挨拶と麻生泰九州経済連合会会長の記念講演「九州から日本を動かす!」が行われました。

続いて開かれたパネルディスカッション「宮崎県における地方創生に向けた人材育成のあり方」では河野俊嗣宮崎県知事の司会で、麻生泰会長を始め、平野亘也宮崎銀行頭取、元木賀子前宮崎労働局長にご登壇いただき、私も加わってディスカッションを行いました。会場に集まった学生からの質問もあり、活発で実のあるキックオフシンポジウムとなりました。

本学が地(知)の拠点として採択されているCOC事業とCOC+事業の取組を紹介する場として開催したCOC/COC+合同シンポジウム2017 in 西都市は株式会社日南による西都妻湯温泉に関する共同研究の成果発表を盛り込んで、12月16日に開催しました。

まず医学部の吉村学教授による「妻湯ごちゃまぜプロジェクト取組紹介」の講演が行われました。医学教育における住民の方々との連携の重要性が話題に取り上げられ、地域・総合診療への理解が一層深まるきっかけとなりました。

続くパネルディスカッションでは郡司行敏副知事、押川修一郎西都市長、堀江勝人株式会社日南代表、本学地域資源創成学部1年生黒木菜月さん、そして文部科学省のCOC/COC+の担当官庄司祐介氏に私も加わり、水光正仁理事の司会で行われました。その結果、地方創生と人財育成に係る本学の中核的役割が一層明確になりました。

昨年の特筆すべきことのひとつに内科学講座の北村和雄教授を中心とした長年にわたる生理活性ペプチド研究の成果に基づき、宮崎大学発ベンチャー企業「ひむかAMファーマ」が大型資金を基に設立されたことが挙げられます。滑り出しは順調で超えるべきハードルはまだまだあるようですが、一つずつ超えながら、着実な歩みを続けてほしいと願っています。
トビタテ留学ジャパンによる学生の海外留学も関係各位の努力によって今年も続けられています。若い時代に海外留学を通して得られた経験は、生涯にわたって残る貴重な財産となることでしょう。

宮崎銀行の支援を受けて始まった、本学学生に向けた宮大ビジネスプランコンテストも、大きな成果を挙げることができました。その中から7チームが12月22日に福岡市で行われた第17回大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストに応募し、トビタテ留学ジャパンを経験した工学部 木下大輔君らのチームが第1位(グランプリ賞)を受賞、さらに医学部 大立目真臣君らのチームが第3位(九州経済連合会長賞)を獲得する快挙を成し遂げて、宮崎大学の意気を示してくれました。

昨年、宮崎市中心部の若草通りに「まちなかキャンパス」をオープンしましたが、多くの学生や職員の皆様に本学の魅力ある様々な活動や情報を分かりやすく市民の方々に向けて活発に発信していただいており、御礼申し上げたいと思います。

第3期中期目標期間における平成28年度分の評価結果が11月21日付で、国立大学法人評価委員会から本学へ送られて来ました。その中からかいつまんで紹介しますと、全体評価で異分野融合を軸に、「地域と共に興す新たに光る宮崎ブランドの確立と発信」に取り組み、地域活性化の拠点として、また、特色ある学術研究を宮崎から世界に発信する拠点としての機能を一層強化することを基本的な目標としている。この目標に向けて外部資金の獲得拡大に向けた組織対組織の共同研究推進体制を構築するなど「法人の基本的な目標」に沿って計画的に取り組んでいることが認められると記載されています。

具体的には「宮崎地域志向型一貫教育カリキュラム」について触れられており、「地域デザイン概論Ⅰ」等の取得単位に応じて、「初級・上級」のマイスター資格を付与している点が高く評価されています。

また、産業動物防疫リサーチセンターでは世界的水準の共同利用・共同研究体制の構築に向けた計画が順調に進捗している、とも評価されています。今後のさらなる充実を期待したいと思います。

財務内容に関しては農学部附属フィールドでの収入増の実現や、動物病院の患畜受入数の増加による増収に応じて獣医学の教育と研究の機能を上げたことなどが認められました。

外部資金の獲得に向けた「組織」対「組織」の共同研究推進体制の構築に関しては、今回初めて日機装株式会社と共同研究包括連携協定を締結し、第1号研究が医学部で開始されたことも高く評価されています。

医学部附属病院ではかつて臨床研究倫理違反が指摘されていましたが、今回の評価では関連知識について講習会を繰り返し、延べ1,087名が参加した実績が高く評価されました。

現在、大学の財源獲得の目的で、宮崎大学基金を設置して職員の皆様から募集を進めていますが、地域の皆様にも広く基金へのご協力を仰いでいるところです。皆様にもどうぞよろしくご協力のほどをお願いいたします。

平成30年も宮崎大学にとって様々な困難が生じることが予想されますが、地元企業家の大先達である岩切章太郎翁の名言「心配するな、工夫せよ」を胸に今年もこの難局を乗り切って参りたいと思います。皆様のご支援とご協力を引き続きよろしくお願いいたします。

平成30年1月4日
宮崎大学長 池ノ上 克

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