宮崎大学
ニュースリリース

脳の萎縮のメカニズムに関する研究成果が発表されました

2021年07月26日 掲載

脳の萎縮メカニズムに関する研究成果が発表されました。
老化や脳神経疾患などで起こる、脳の萎縮に関係する新しいメカニズムを世界で初めて明らかにし、研究成果は、将来、脳神経疾患の病態改善に繋がる可能性があります。
本研究成果は、米国Cell Pressの学術誌雑誌『iScience』(アイサイエンス)に掲載されました。

論文の筆頭著者は杉山 崇史 (宮崎大学 医学部附属病院 脳神経内科 助教)であり、宮崎大学(西頭 英起 (医学部 機能生化学分野 教授)・村尾 直哉 (医学部 機能生化学分野 助教))、東京大学、東邦大学、富山大学並びに理化学研究所などによる共同研究による成果です。



脳の萎縮メカニズムを解明!

発表のポイント
○ 老化や多くの脳神経疾患に共通する神経細胞での小胞体の品質低下が、脳萎縮の原因となることを発見
○ 脳萎縮の原因として脳内コレステロール合成不全を発見
○ 脳内コレステロール合成に重要な経路としてDerlin¬-SREBP-2経路の重要性を発見

<発表概要>
超高齢化社会を迎えた我が国で問題となっている、認知症、パーキンソン病などの脳神経疾患では、脳の萎縮が広く認められます。これまで脳萎縮の原因は、神経細胞の脱落(細胞死)と考えられてきました。しかし、必ずしも神経細胞死だけでは、脳体積の減少を説明できませんでした。一方、脳神経疾患の状態にある「病態脳」では、多くの場合、神経細胞内の細胞小器官の一つである小胞体にストレスがかかっていること(小胞体ストレス)が示されていました。そこで、マウスを用いて脳内で小胞体ストレスを誘導する動物モデルを作製し、脳萎縮の分子メカニズムを解明しました。
今後は、脳神経疾患に広く共通する脳萎縮の回復を目指す創薬が期待されます。本研究成果は、宮崎大学の西頭英起教授、東京大学の一條秀憲教授らによるもので、7月23日付けで、米国Cell Pressの学術誌雑誌『iScience』(アイサイエンス)に掲載されました。

<発表者名>
杉山 崇史 (宮崎大学 医学部附属病院 脳神経内科 助教)
村尾 直哉 (宮崎大学 医学部 機能生化学分野 助教)
御子柴 克彦 (東邦大学 理学部生物分子科学科 特任教授、理化学研究所 生命機能科学研究センター 客員主管研究員、上海科技大学 免疫化学研究所 教授)
高雄 啓三 (富山大学 学術研究部医学系 行動生理学講座 教授)
酒井 寿郎 (東京大学 先端科学技術研究センター 代謝医学分野、東北大学大学院医学系研究科 分子代謝生理学分野 教授)
一條 秀憲 (東京大学 大学院薬学系研究科 教授)
西頭 英起 (宮崎大学 医学部 機能生化学分野 教授)

脳の萎縮.jpg

〇宮崎大学プレスリリース
http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20210715_05_press.pdf

〇宮崎大・東大など、脳の萎縮のメカニズムを解明(7/23 日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP614763_V10C21A7000000/

〇脳の萎縮・運動機能低下、脳内コレステロール減少原因 宮崎大など解明(7/26 日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00606320

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