宮崎大学
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新型コロナウィルスと戦う『看護師ランナー』福崎 崇宏(ふくざき たかひろ) さん

2021年12月24日掲載

20211011_hito_02.JPG福崎 崇宏 (ふくざき たかひろ)さん

1986年生まれ、宮崎県出身、大学病院勤務14年目

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 小学校から野球を始め、中学校まで野球に明け暮れる。26歳の時にダイエット目的にジョギングを始め、27歳の時に宮崎県内最大級のマラソンイベントである「青島太平洋マラソン(アオタイ)」(2011年)に初参加。
 2011年の初マラソンでは、30km地点を越えてから脚が動かなくなるも、3時間40分で完走。もう少し速く走ってみたいと思うようになり、本格的にトレーニングを開始。一気に頭角を現し、2018年のアオタイでは総合4位に入賞。青島太平洋マラソンでのベストタイムは2時間28分(2019年)
 現在は、新型コロナウィルス重症患者を受け入れる宮崎大学医学部附属病院のICU(集中治療室)で、コロナ患者をはじめとする重症者への対応にあたる傍ら、時間の合間を縫って日々トレーニングに励んでいる。
2021年12月12日に開催されたアオタイでは、コンディションを落としてしまいながらも総合19位に入った(エントリー総数9,066人、出走者数7,707人、完走者数6,689人)。
現在1歳の長男の名前はアオタイにちなんで葵太(あおた)。

[これまでの成績]※青島太平洋マラソンのみ掲載しています。
2011年:3時間40分
2012年:2時間55分
2013年:2時間44分
2014年:3時間05分 
2015年:2時間51分
2016年:2時間35分
2017年:2時間34分
2018年:2時間30分
2019年:2時間28分
2021年:2時間32分

Q.アオタイを走り終えての感想を聞かせてください。

 2019年度の院内異動で集中治療部に配置換えになりました。
 その後、2020年1月に日本国内で初めて新型コロナウィルス感染者が確認されました。
 2020年8月には、私の勤務する附属病院のICUにも新型コロナウィルスに感染し、重症化した患者さんが運び込まれてきて、それから生活は一変しました。
 最前線のICUの現場でのコロナ対応は、肉体的にも精神的にも疲弊していくばかりでした。ICUでは、細心の注意を払ったうえでの感染症対策を施しているので、自身が感染する可能性はほとんどないのですが、ゼロではありません。また、同年12月に第2子となる長男が産まれてくる予定であったので、1年近くの間、大学内にある青雲荘というゲストハウスに宿泊し、まともに自宅に帰ることができない生活でした。
 しかし、何とか表彰台に立ちたいとの思いで、時間を作って、厳しい練習を継続することができました。当日は、体調を壊してしまい、レース中に2回もトイレに駆け込むことになり、総合19位で目標としていた表彰台には立てず、とても悔しい結果となりましたが、コンディション不良のなかで最後まで走りきることができたことは収穫でもあります。
 大会の開催に尽力いただいた関係者の皆さんや応援してくれた皆さんには心から感謝しています。

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写真:スタート直後の様子(2021年撮影)

Q.コロナ禍におけるICUでの現状を教えてください。

 コロナの患者さんに対応する時は、防護服で身をまとい、N95マスクで鼻を圧迫します。長時間におよぶ対応で、かなり体力を消耗することを実感しています。私は、集中治療部への配属となって2年目で、他の先輩スタッフの皆さんに支えてもらいながら奮闘しています。
 青島太平洋マラソンで表彰台に立つことを目標にしてきましたが、それどころか仕事も辞めてしまいたいと思うような日々が続く生活でした。それでも、仕事もマラソンも続けることができたのは、応援してくれる周りの先輩方と家族があったからです。

20211011_02_hito_04.jpg写真:防護服で処置にあたる様子

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写真:ワクチンを投与する福崎さん(2021年撮影)

Q.どのような練習をしているのか教えてください。

 月間400~500キロを目標にしてトレーニングに励んでいます。普通の人から見ると、驚くような走行距離かもしれませんが、サブトウェンティ(2時間20分切り)目指すランナーは、一月に600キロくらいを走ると言われています。
 私の場合は、仕事の他にも、二人の子どもがまだ小さいこともあって、トレーニングに費やす時間を十分に確保することができないので、必死で時間を作り出しています。しかし、どのランナーも多忙な合間を縫って時間を作り出してトレーニングに励んでいて、1日が24時間しかないということは誰もが同じ条件です。
 仕事の日は、自宅周辺で走ることが多く、3時過ぎ頃には起床して、朝4時から5時までの1時間を集中して走ります。日勤が終わった時は、夜間に1時間ぐらい練習しています。
 休日は、宮崎県総合運動公園(木花)などでランニング仲間と30km走やスピード練習など、平日にはできないトレーニングをしています。

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Q.次の目標を教えてください

 まずはゆっくり休んで、これまで負担をかけて来た家族に感謝して、家族サービスします(笑)
 そして2022年2月に延岡西日本マラソンの出場が決まっているのでそこで、更なる自己ベスト更新を目指して練習を再開していく予定です。コロナの収束を心から祈っており、もし第6波が来てしまった時には、コロナ医療に全力を尽くしていきたいと思います。




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 福崎さんが個人練習でよく使用しているクロスカントリーコースなどがある宮崎県総合運動公園は、宮崎大学から車で5分程度の場所にあります。野球場・サッカー場・陸上競技場など多数のスポーツ施設があり、毎年多数のプロスポーツチームや実業団、学生チームがキャンプや合宿などで訪れます。
 クロスカントリーコースは、周回3キロのコースでとても良く整備されていて、実業団や箱根駅伝に毎年出場するような大学も合宿で利用しています。

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