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2020年年頭の挨拶(令和2年1月6日)

2020年年頭の挨拶

 明けましておめでとうございます。皆様、よいお正月をお迎えのことと存じます。
昨年は平成から令和へと年号が変わった記念すべき年でありました。新しい天皇、皇后両陛下のもと、豊かで平和な日本が続いて行くことを祈りたいと思います。
 日本漢字能力検定協会が行った『世相を表す漢字』の昨年の投票結果では、「令」が選ばれました。「令」の漢字一字が持つ意味から、明るい時代の幕開けを願う人々の思いが込められているようです。
 お正月の全日本実業団ニューイヤー駅伝では今年も宮崎の旭化成チームが優勝に輝き、4連覇が達成されました。逆転優勝は難しいかと思われ始めた6区で、20歳の小野知大選手が感動的な快走をみせてアンカーにトップで襷を渡しました。若者が持つ無限の可能性と潜在する自分の能力をたゆまぬ練習によって引き出した素晴しい努力の結果を見せてもらいました。
 ゴール地点での旭化成チームの胴上げの場面にはノーベル賞受賞者の吉野彰旭化成名誉フェローもおられ、にこやかな顔で胴上げに参加しておられた姿はテレビでも報道されて、多くの人々に心豊かな微笑みが伝わりました。
 旭化成駅伝チームの4連覇は昨年に引き続き、私達宮崎県民に大きなエネルギーを与えてもらう快挙となりました。

 しかしながら世界の情勢をみると未だに先行きは安定せず、大国間の政治バランスの崩れはいっそう複雑化しています。その中で日本の果たすべき役割も益々重要になっており、わが国の高等教育を担う大学の役割が重視されています。本学が掲げるスローガン「世界を視野に地域から始めよう」を今ひと度しっかり考える時であろうと思います。地域貢献を掲げている本学として、地域の抱える問題や課題に係る研究や教育の成果を国際間にアピールして、いっそう前向きで具体的な行動を進めて行くことが求められるでしょう。

 国内に目を転じると、各地に相次いで発生した自然災害で多くの方が犠牲になられ、今なお復旧の目途が立たない現状が続いている地域も多くみられます。心からご冥福とお見舞いを申し上げたいと思います。私達が抱える南海トラフ地震による自然災害への防災にも、常日頃から備えるべき訓練と周到な備えを続けていく必要があります。
 京都アニメーション事件に代表される悲惨な犯罪の発生も持続しています。社会の抱える不安や不満の問題点などが、最近では一層浮き彫りになってきました。政治家の不祥事などに代表される政治への不安も国民の間に広がっているように思われます。今こそ基本的な教育の充実と素晴らしい人材の養成が求められる時代であろうかと思います。宮崎県で生まれ育つ人々の初等教育から高等教育に係る本学の役割も重要な課題となっています。宮崎県らしい、より良い優れた教育環境作りに努力を続けていく必要があります。

 一方で私達に感動を伝えてくれた出来事は、年間流行語大賞にも輝いた「ワンチーム」をスローガンとした日本ラグビーチームの快進撃でした。ラグビーワールドカップでアイルランドを下し、長年の夢であったベストエイト進出に涙した日本人も多かったと思います。目的に向かって努力を続けた選手や関係者の話を聞けば聞くほど、感動の思いが湧き出てきます。目的達成に向けて、目標を定め、ワンチームとなって突き進んで得られた成果でありました。
 強力なスクラム、高い技術のオフロードパスなど宮崎キャンプでの練習の成果が高く評価されているようです。加えて、練習の合間に日向市の大御神社にお参りをして必勝を祈ったことも大きく報道されました。同地にある「細石が巌となる」こととAll for one, one for allのラグビーの精神がイメージとして繋がったとみる人も多く、スポーツランド宮崎を押し立てている本県にとっても、大きな追い風となりました。

 文部科学省から示される年間予算が年々減って行くなか、教職員の皆様には多大の努力と工夫をお願いしており、ご協力に心から感謝したいと思います。
 そのような逆風のなかで、都農町から示していただいた寄附講座のお話は本学にとってもありがたい事業企画であり、都農町民の皆さんに心から感謝したいと思います。
 産学地域連携センターを受け皿として、寄附講座として地域資源創成学部と医学部地域医療・総合診療医学講座が中心となり、都農町内における本学のキャンパスとしての活動が動き出す計画が進んでいます。この件に前向きに取り組んでいただいた、地域資源創成学部の入谷学部長並びに医学部の片岡医学部長および地域医療・総合診療医学講座の吉村教授に心から感謝申し上げたいと思います。
 さらに日機装株式会社からも医学部に医療環境イノベーション講座の共同研究講座の提案をいただき、協定を結ぶことができました。新たな研究体制の整備と充実が今年はいっそう推進されるものと期待しています。
 国際連携事業も着実に成果が広がっています。宮崎市、JICA、および宮崎大学との連携で行っている、バングラディシュIT技術者の養成プログラムは全国的な注目を浴びており、宮崎モデルとして進行中です。新年を迎えさらなる発展を期待したいと思います。

 昨年の新年のご挨拶でも申し上げましたが、地元企業の大先達である岩切章太郎翁の名言「心配するな、工夫せよ」を胸に、今年も逆風に敗けず、希望を持って進んで行きたいと思います。本年も皆様のご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

令和2年1月6日
宮崎大学長 池ノ上 克

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