宮崎大学
ニュースリリース

科学雑誌「Nature」オンライン版で公開! 新型コロナウイルス「デルタ株」に関する研究成果が発表されました。

2021年11月29日 掲載

新型コロナウイルス「デルタ株」に関する研究成果が発表されました。
本研究成果は、科学雑誌「Nature」のオンライン版で公開されました。
論文の発表者には農学部獣医学科 齊藤 暁 准教授が含まれています。
また、獣医学科4年の田中友理さんとバトラー田中英里佳さんも学部生ながら共著者として名を連ねています!




SARS-CoV-2デルタ株に特徴的なP681R変異はウイルスの病原性を増大させる

1.発表のポイント:
◆昨年末にインドで出現した新型コロナウイルス「デルタ株(B.1.617.2系統)」(注2)は、全世界に伝播し、現在のパンデミックの主たる原因変異株となっている。
◆ハムスターを用いた感染実験の結果、デルタ株は、従来株よりも高い病原性を示すことを明らかにした。
◆デルタ株のスパイクタンパク質(注3)の細胞融合活性(注4)は、従来株や他の変異株に比べて顕著に高く、その活性は、スパイクタンパク質のP681R変異(注5)によって担われていることを明らかにした。
◆P681R変異を持つ新型コロナウイルスを人工合成し、ハムスターを用いた感染実験を実施した結果、P681R変異の挿入によって、病原性が高まることを明らかにした。



2.発表者:
佐藤 佳(東京大学医科学研究所附属感染症国際研究センターシステムウイルス学分野准教授)
※研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」(注1)メンバー
齊藤 暁(宮崎大学 農学部獣医学科 准教授)
入江 崇(広島大学 大学院医系科学研究科 准教授)
徳永 研三(国立感染症研究所 主任研究官)
吉村 和久(東京都健康安全研究センター 所長)
高折 晃史(京都大学大学院医学研究科 教授)
中川 草(東海大学医学部 講師)
池田 輝政(熊本大学 ヒトレトロウイルス学共同研究センター 准教授)
福原 崇介(北海道大学大学院医学研究院 教授)
佐藤 佳(東京大学医科学研究所  准教授)

3.発表概要: 
東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野の佐藤准教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」は、新型コロナウイルスの「懸念される変異株(VOC:variant of concern)」(注6)のひとつである「デルタ株(B.1.617.2系統)」が、従来株に比べて病原性が高いことを明らかにしました。また、デルタ株のスパイクタンパク質の細胞融合活性は、従来株や他の変異株に比べて顕著に高く、その活性は、スパイクタンパク質のP681R変異によって担われていることを明らかにしました。そして、P681R変異を持つ新型コロナウイルスを人工合成し、ハムスターを用いた感染実験(注7)を実施した結果、P681R変異の挿入によって、病原性が高まることを明らかにしました。
本研究成果は2021年11月25日(英国時間午後4時、日本時間26日午前1時)、英国科学雑誌「Nature」オンライン版で公開されました。

用語解説:
(注1)研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」
東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤准教授が主宰する研究チーム。日本国内の複数の若手研究者・研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム・コンソーシアムとの国際連携も進めている。
(注2)デルタ株(B.1.617.2系統)
新型コロナウイルスの流行拡大によって出現した、顕著な変異を有する「懸念すべき変異株(VOC:variant of concern)」のひとつ。現在、日本を含めた世界各国で大流行しており、パンデミックの主たる原因となる変異株となっている。
(注3)スパイクタンパク質
新型コロナウイルスが細胞に感染する際に、新型コロナウイルスが細胞に結合するためのタンパク質。現在使用されているワクチンの標的となっている。
(注4)細胞融合活性
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を介して、細胞どうしが融合する活性。
(注5)P681R変異
デルタ株のスパイクタンパク質に特徴的な変異。スパイクタンパク質の681番目のプロリン残基(P)がアルギニン(R)に置換した変異。Furinという細胞性プロテアーゼによって認識・切断される部位の近傍に位置している。
(注6)懸念される変異株(VOC:variant of concern)
新型コロナウイルスの流行拡大によって出現した、顕著な変異を有する変異株のこと。現在まで、アルファ株(B.1.1.7系統)、ベータ株(B.1.351系統)、ガンマ株(P.1系統)、デルタ株(B.1.617.2系統)が、「懸念される変異株」として認定されている。伝播力の向上や、免疫からの逃避能力の獲得などが報告されている。多数の国々で流行拡大していることが確認された株が分類される。
(注7)ハムスターを用いた感染実験
ハムスターが、COVID-19の感染動物モデルとして有用であることが示されている。
2020年6月22付け東京大学医科学研究所プレスリリース
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00015.html




プレスリリース 2021.11.25
https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20211125_01_press.pdf

〇研究者データベース
齊藤 暁 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100002260_ja.html

Nature
https://www.nature.com/

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