ニュースリリース
2020年02月14日 掲載
「恒温動物の熱産生に必要なミトコンドリアの活性化メカニズムを解明」
― 肥満の治療薬開発へ期待 ―
宮崎大学の西頭教授らの研究グループは、東京大学、徳島大学、東京医科歯科大学、国立がん研究センターとの共同研究により、褐色脂肪細胞におけるミトコンドリアの発達機序を明らかにしました。褐色脂肪細胞は、分化依存的にミトコンドリアが発達し、逆に同じ細胞小器官の一つ小胞体は退縮し痕跡化します(図1)。しかし、詳細な電子顕微鏡観察からミトコンドリアと小胞体の接触した面積が飛躍的に増大することを明らかにしました(図1)。
さらに、ミトコンドリア-小胞体間でこれまでに発見されていない新しい情報伝達が行われていることを見出しました。すなわち、褐色脂肪細胞の分化過程において、痕跡化した小胞体膜上にあるセンサー分子PERKの活性化が、接触するミトコンドリアの発達と熱産生に必須であることを明らかにしました。さらに、PERKを持たないマウスは、寒冷環境において熱産生能力が低下しており、体温維持がうまく出来ないことも判明しました(図2)。
本研究は、文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われ、この成果は令和2年2月7日にLife Science Alliance誌(電子版)に掲載されました。
URL:https://www.life-science-alliance.org/content/3/3/e201900576
宮崎大学プレスリリース
URL:https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/public/release/pr31.html
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