宮崎大学
ニュースリリース

新型コロナ感染を抑制する生体内因子の発見―病態解明や治療薬開発の可能性へ―

2021年04月09日 掲載

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が効率よく感染するためには、ウイルスのスパイクタンパク質が、ヒトの細胞上にある酵素の一つであるタンパク質分解酵素TMPRSS2で切断(開裂)されなければなりません。すなわちTMPRSS2の活性はSARS-CoV-2の感染に非常に重要です。しかし、TMPRSS2の生理的な活性制御やSARS-CoV-2感染との関連については、よくわかっていませんでした。

今回、本学医学部病理学講座腫瘍・再生病態学分野の片岡寛章教授が参加する共同研究グループ(京都大学、北海道大学、国立感染症研究所、宮崎大学)は、一部の生体内タンパク質分解酵素に対する生理的阻害物質HAI-2hepatocyte growth factor activator inhibitor 2)がSARS-CoV-2の感染抑制因子であることを発見しました。HAI-2を培養液に添加するとSARS-CoV-2の感染が阻害されました。また、siRNA法で肺上皮細胞株のHAI-2の発現量を減らすと、SARS-CoV-2の感染が促進されました。このことはHAI-2SARS-CoV-2を生理的にも抑えている可能性を示しており、HAI-2の研究は、SARS-CoV-2感染症(COVID-19)の病態解明のみならず創薬ターゲットとしても重要であると考えられます。

本成果は、2021331日に国際学術誌「Journal of Virology」にオンライン掲載されました。

プレスリリースはこちら
http://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20210408_01_press.pdf

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