2025.09.22 掲載
本学教育学部理科教育講座の中村大輝講師が、日本科学教育学会の論文賞を受賞しました。本賞は中村講師が科学教育研究にて発表した論文「馴染みのない研究方法論を学ぶことで生じる科学教育研究者の変容-主として量的研究方法を用いている研究者による質的研究方法の学びを事例に-」が特に科学教育研究の発展に大きく寄与したと認められ表彰されたものです。
本論文では、主に量的研究を専門とする研究者が質的研究の方法論を学ぶことで、自身の研究への取り組み方や研究者としての考え方、行動にどのような変化が生じるかを検討しています。従来、質的研究と量的研究は二項対立的に扱われることが多かったものですが、本論文は、両者の垣根を越えて学ぶことの意義を実証的に示した点が高く評価されました。量的研究者が質的アプローチに触れることで、これまで数値だけでは捉えきれなかった教育事象の多面性や複雑さに気づき、研究者自身の認識論的な前提が問い直されるプロセスを明らかにしています。
中村大輝講師(左)が戸ヶ﨑泰子教育学部長に受賞を報告