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令和3年度宮崎大学入学式訓辞(令和3年4月5日)

訓辞

新入生の皆さん、入学おめでとう。本日、1,363名の新入生を迎えることができました。

今年度の入学式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学部・研究科の代表者にだけ出席してもらい、宮崎大学創立330記念交流会館での式典のオンライン配信となりました。

新入生の皆さん全員に訓辞を直接述べることが叶わないのは、とても残念に思うところです。しかしながら、宮崎大学は新入生の皆さんを心から歓迎する気持ちに少しも変わりはありません、いやそれ以上にこのような時だからこそ宮崎大学を選択してくれた皆さんの気持ちを大変嬉しく思います。

ご家族の皆様をはじめ関係者の皆さんにも式場で慶びの言葉を直接お伝え出来ないことがとても残念ですが、心からのお祝いを申し上げたいと思います。

宮崎大学の歴史は明治17年に宮崎県尋常師範学校が設立されたことに始まります。農学部は大正13年設立の宮崎高等農林学校が始まりとされています。また、工学部は昭和19年の宮崎県高等工業学校に遡ります。

その後、昭和24年に行われた学制改革によって、当時の師範学校、青年師範学校、工業専門学校、および農林専門学校を包括した宮崎大学が設置され、学芸学部、工学部、農学部の3学部で発足しています。

その後の学部改革、大学院設置などを経て、平成元年に宮崎市内の船塚地区から現在の木花キャンパスに移転しました。平成284月からは地域資源創成学部が新たに加わり地域に根差した大学としての機能が一層強化されました。

一方、清武キャンパスの医学部については、宮崎医科大学として昭和49年に設置され、その後、昭和52年には附属病院が開院して診療活動や臨床医学の教育を始めました。その後に大学院、そして看護学科の新設を経て今日に至っています。

平成1510月に旧宮崎大学と宮崎医科大学とが統合して、新生宮崎大学となり「世界を視野に地域から始めよう」をスローガンに、新たな歩みを続けています。宮崎大学では、このスローガンのもとに、地域社会との連携を強固にして教育や研究そして地域貢献を展開しています。そしてその成果を全日本、全世界に向けて発信する大学でありたいと考え、全員が一丸となって日々努力を重ねているところです。

宮崎大学には木花キャンパスや清武キャンパスがあり、さらには県内各地に広がる宮崎大学の実習フィールドがあります。そこでは優れた研究を展開している多くの指導者に出会うことができます。新型コロナウイルスの危機が過ぎ去り、大学が本来の姿に戻った時には、素晴らしいと思う研究者や指導者との出会いを、皆さんには積極的に求めて欲しいと思います。そして生涯の財産となる知識や技術を身に付けるよう努力を続けてください。

また、心許せる友人を求めることも大切です。一度や二度は必ず親友の言葉や思いやりに救われる場面があるだろうと思います。一人で悩むだけではなく、日頃から心を開いて相談し合える友の存在はかけがえのないものとなります。

昨年の入学式の訓辞でも述べましたが、ヨーロッパ最古の大学といわれるイタリアのボローニア大学がある街では「困難にぶつかったら過去に学べ。未来は過去の中にある。」と言い伝えられているそうです。

今私たちが直面している新型コロナウイルスについても、感染症の世界的な過去を振り返り、学び、そして各人がしっかり考えて行動することが必要です。かつてお産の後に亡くなる若い女性が10パーセントから20パーセントにも及んでいた1800年代のヨーロッパで、ハンガリー、ブダペストの産婦人科医のゼンメルワイスは、分娩に立ち合う医療者に徹底した手洗いを求め、分娩室内の汚れを落として清掃や整理整頓を行って、室内環境の清潔化を図りました。

その結果、母体の死亡率を2から3パーセントにまで改善する偉業をなしとげました。まだ当時は顕微鏡も発明されてはおらず、細菌の存在も分かっていませんでしたので、感染症の概念は確立されてはいませんでした。しかし、綿密な状況の観察と分析の結果から導かれたゼンメルワイスによる行動で多くの命が救われたのです。このことは医学の歴史に燦然と輝く金字塔として、人々に知られています。

現在の私たちが向き合っているコロナ対策でも、まずは各々が機会あるごとに頻回に手を洗い、手に付いたかもしれないウイルスを洗い流すことが重要です。手指の消毒に気を配ることです。そして近い距離からウイルスを飛ばし合うような密状態を避け、室内の空気の入れ替えにも気を付けて、他の人へウイルスを飛ばし移さないためのマスクの着用などを徹底することが当分の間は求められます。これらのことは先に述べたブタペストの産婦人科医師ゼンメルワイスの教えに基づいたものです。

このように限られた現在の状況の中ではありますが、宮崎大学は教育や研究そして地域貢献の活動を続けていかなければなりません。現在は遠隔授業を原則とし、一部では対面授業を取り入れて行っていますが、今後は感染拡大の状況を見つつ、対面授業へ切り替えていきます。また、学生食堂や学内ストアなど、人と人との距離が近くなりやすいところでは、格段の注意を払いながらその機能を保つように努めています。

昨年から社会的な多くの犠牲を払いながらも、生活習慣を改め、感染防止に努力したことで、現在宮崎県ではなんとか新型コロナウイルスの新規発生を少なく抑えています。最近気付かれたことですが、これまで例年数多く発生していたインフルエンザなどの他の感染症が例年よりも少なくなってきていることが、県内の医療機関の間で感じられています。県民あげて行っている新型コロナウイルス対策が、その他の感染症でも効果をあげている可能性があり、私たちは社会的に苦しい日々の生活の中から、このことを学ぶことができました。

新入生の皆さんには、入学早々から変則的な授業が始まり、戸惑いを感じることもあると思いますが、感染症に対する人類の大きな歴史の流れの一環として受け止めてもらいたいと思います。もし、体調の不良や気持ちの落ち込みなどを感じることがあったら、学生支援部の職員や、安全衛生保健センターの医師などが、万全の態勢で支援をする体制が確立していますので、躊躇することなく相談にきてください。

未曾有の災害はまだ続きますが、皆さんそれぞれが得られた経験や学びを今後の人生における知の財産として残すよう努めてもらいたいと思います。宮崎大学は、大学としての機能を保ちながらこの逆風を積極的にとらえて、新しい時代にむけた大学の行動を模索していきます。お互いに良い結果に結びつくような新時代を築きましょう。

皆さんのこれから始まる大学生活が有意義で素晴らしいものになることを信じて、私の訓辞とします。

令和3年4月5日
宮崎大学長 池ノ上 克


24:15~開式の辞
24:40~入学許可
29:00~入学生宣誓
33:07~学長訓辞
48:02~祝電披露
49:30~閉式の辞

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