大学案内
本日ここに、ご来賓の皆様を始め、関連各位をお迎えし、令和7年度の入学式を挙行出来ることを心から嬉しく思います。 新入生の諸君、入学おめでとう。今年は1,374名の新入生を迎えることができました。宮崎大学を代表して、心から、祝福の言葉を贈ります。また、この日を待ち望んでおられたご家族をはじめ、関係者の皆様も、さぞかしお喜びのことと存じます。重ねて、お祝い申し上げます。
さて、宮崎大学は、明治17年に設立された師範学校にまで遡ることができます。したがって、今年で140年を超える歴史があります。現在、教育学部、医学部、工学部、農学部、地域資源創成学部の5学部と、7つの大学院研究科、3つの機構を持つ総合大学です。主要キャンパスには木花キャンパスと清武キャンパスがあり、また宮崎市中心部に錦本町ひなたキャンパスが、時を合わせるかのように、丁度本年4月、開設されました。さらに、県内各地には広い実習フィールドがあります。これらの全てのキャンパスを十分に活用し、大学生活を堪能してください。またキャンパス内には、ダイバーシティに富んだ、多種多様な教授陣や、ユニークな教職員と出会うことができます。それに加えて学内には、関連する企業の方々や、地域の住民の方々も出入りしています。多様な学生と、多様な教職員や関係者が混ざり合うことで化学反応が起こり、興味深い活動が生み出されています。是非、色々な出会いを求めて、積極的にチャレンジして下さい。そして生涯の財産となる知識を身に付け、学びの師と学友を得るよう努力してください。チャレンジする過程で、勿論、失敗もあります。それもまた重要な学びの過程です。失敗をも楽しみながら、多くの学びに挑戦し、宮崎大学を満喫してください。
宮崎大学のスローガンは「世界を視野に、地域から始めよう」です。このスローガンのもとに、われわれは地域との連携を強固にして、教育、研究、地域貢献、国際貢献を展開しています。そして、その成果を世界に向けて発信する大学でありたいと考え、学生と教職員が一丸となって日々努力を重ねています。本日、宮崎大学の一員に加わった諸君のこれからの活躍に期待しています。
宮崎大学のスローガンである、「世界を視野に、地域から始めよう」には、深い意味が含蓄されています。まず、「世界を視野に、地域から始める」ものは何でしょうか。それは、大学の最も崇高な使命である、真理の探究です。新しい知識、知を創造することも一つです。これまでの知を組み合わせることで総合知を補強したり、あるいは組み合わせることで新しい分野を開発したり、さらには実際の社会に応用したりすることも知の探求と言えます。また、これらの真理の探究が、大学の研究室に留まっていては不十分です。新しい知を得た場合には、それを世界に向けて発信し、広く世のため、人のために、という社会貢献が不可欠です。これこそが「世界を視野に、地域から始めよう」の意味しているところです。
人口減少時代に入り、国立大学であっても、淘汰の波を避けることはできません。そこでこの入学を機に、一度、『宮崎大学は、なぜ、宮崎にないといけないのか』という、哲学的な問いについても考えてください。宮崎大学が宮崎にある必然性は、宮崎の中にある唯一の国立大学として、地域からの信託を受け、それに呼応して、われわれは宮崎を力強く支援しているところにあります。すなわち、宮崎大学と宮崎は運命共同体である、と言えます。地域から評価され、地域の人々から信頼されなければ、宮崎に立脚する大学としてのわれわれの存在意義は薄れてしまうでしょう。宮崎大学の一員としてこれから活動する学生の一人一人にも、宮崎大学の看板を背負っている、という自覚をしっかりと持って欲しいと思います。地域を愛し、地域からも愛される大学であり続ける必要があります。
繰り返しますが、大学での学びとは真理の探究であり、その成果を広く世界に発信することが求められています。これらを達成するためには、背景にある学問の自由を確保することが必須です。さらに言うならば、平和であることが求められます。現在、平和な環境の中で学問できることに感謝しつつ、これからも平和を守り、学問の自由を守る努力をそれぞれの立場で続けて下さい。大学で真理を探究する諸君が心して取り組まなければならない活動です。
現在、世界情勢は不安定化し、大きな変革期にあると言わざるを得ません。宮崎大学はいかなる社会情勢にあっても教育、研究、地域貢献、国際貢献を続けていかなければなりません。地域に根ざした大学としての機能を保ちながら、世界を視野に、新しい時代に向けた大学の行動を続けています。新入学生諸君が、宮崎大学が掲げるこのビジョンを共有し、「世界を視野に、地域から始めよう」のスローガンのもと、宮崎大学の新たな歴史の一歩を着実に踏み出してくれることを期待しています。
諸君の大学生活が有意義で素晴らしいものになることを祈念し、告辞とします。
令和7年4月3日宮崎大学長 鮫島 浩
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