宮崎大学
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学長からのメッセージ(令和6年10月1日)

継続と挑戦

2024年10月から学長として2期目を迎えます。ここに改めて、所信を表明いたします。
一言で表すと「継続と挑戦」です。
新鮮味には多少欠けますが、大学が持つべき本質的な意義を考慮すると、このモットーが最適と考えます。

I.継続

鮫島先生 写真.jpg

国立大学法人宮崎大学長
鮫島 浩

 継続という言葉を、今回、より積極的、自動的な意味合いで使いたいと思います。
 われわれは、旧宮崎大学では140年の、また宮崎医科大学では50年の歴史を積み重ねて来ました。統合した国立大学法人としても20年の歴史があります。この中で、多くの事業に取り組んできました。
 諺に、「初めあらざるはなく、よく終わりあるは少なし」とあります。
 この「よく終わりある」のためには、これまでの事業を継続して、完成させる必要があります。われわれは法人化後、第1期中期目標・計画から始まり、現在の第4期まで、種々の事業を開始し、相当な熱量を持って取り組んできました。今、その成果を獲れるものは確実に採る、育てるものはさらに育てる時期に来ています。成果を確実なものとすることが、「よく終わりある」に直結します。確実に終了させることで、その中の課題も見え、それをシーズに次の事業に展開することもできます。
 その意味では、継続と挑戦は一つの輪であり、上昇し続けるための重要な仕組みといえます。成し遂げてこそ見えてくるものがあり、倦む事なく最後までやり遂げるという、強い意志を持って取り組んでいきましょう。
 特に、中期目標・計画に提示した事業、ミッション実現戦略で取り上げたプロジェクト、各部局の自主的な取り組み、さらに個人個人の目標など、それぞれのレベルで確実に成果を掴み取り、同時に、次の挑戦に向けての若木を植えていただきたいと切望します。

II.挑戦

主に、教育・研究、社会貢献、国際貢献について表明します。

1)教育・研究

 教育・研究は大学の本業です。それだけに、常に時代や社会からの要請を受け、変革の荒波にさらされて来ました。その中にあって、いろいろな批判に晒されながらも、大学の本分を守ってきた歴史があります。決して、教育・研究の原点を見失うことがあってはなりません。
 教育・研究の原点とは、新たな知の創造と発見、そのために挑戦し続けるチャレンジ精神旺盛な若手の育成が中核です。安易なことに流されず、困難なことに挑戦する気概をもつよう指導し、その中に、挑戦する楽しみ、新たな発見の楽しみを知ろうとする人材の育成であろうと思います。
 これまでも、歴代の学長から、「学生目線を大切に」、「選択に迷ったら、若手研究者や学生のためになるかを考えて」という薫陶を受けて来ました。
 将来を担う若手人材は、学生の期間はまだ新生児のようなもので、十分なケアを必要とします。誰しも嬰児には優しく、愛情を持って接するはずです。大学生は、成人に違いありませんが、学問、研究、社会性、精神性においては未熟です。そのことを考慮し、厳しくも優しい態度で、お互いのwell-beingを尊重しつつ人材育成に努めていきたいものです。
 その上で、「世界を視野に、地域から始めよう」の精神で、教育、研究にチャレンジしましょう。

2)社会貢献

 地域と大学は運命共同体である。元鹿児島大学長、井形昭弘先生は、その著書「地域と大学」の中で宣言しています。
宮崎大学が宮崎にあるのは、宮崎に貢献し、地域社会から評価され、愛されているからです。地域社会から評価されなければ、存在意義がないと言っても過言ではありません。
 少子化の現代社会では、地域から求められない大学は生き残れない、という現実がそこに迫っています。是非、この危機感を共有して、地域との連携に邁進してください。
 たとえ直接的に実現不可能と思われることであっても、学会などのネットワークや人脈を駆使して、専門家とのコンタクトをとっていただきたいものです。
 またこれらの社会貢献があって初めて、産学協同の研究や事業も実り多いものとなると確信しています。

 また医療においては、教育・研究の分野でもありますが、同時に重要な社会貢献の場であり、地域に必須の社会基盤です。宮崎は九州内で唯一の医師少数県です。これまでも地域枠の拡大、キャリア形成プログラムの充実、All Miyazaki体制の整備など、多くの取り組みを行って来ました。今後も医学部、大学病院が地域の全ての医療を主導し、特定機能病院としての重要な役割を果たすことが求められています。

3)国際貢献

「世界を視野に、地域から始めよう」のスローガンはわれわれが行うべきことの本質をついています。研究、教育では世界を視野に入れた貢献ができるよう、足元の地域を固めつつ活動する必要があります。
 また、われわれは世界市民であり、地球市民であり、そのことを常に認識する必要があります。世界に開かれた大学で、ダイバーシティを重要視し、国際性豊かな若い人材を育成する義務があります。世界からも選ばれる大学でなければならないと思います。
 10年後には、宮崎に多くの留学生が生活して地域住民と日本語で語り合い、一方で大学内にはいつでもどこでも英語を用いた会話が行われている、そのような近未来を実現したいものです。
 今回の2期目には国際連携を主導する理事を新たに任命しました。国際経験豊かな理事のもと、宮崎大学を国際性豊かな大学にする基盤を再構築します。関係各位の皆様の協力と積極的な参加と、また、学生の主体的な活動を心からお願いします。

以上、2期目の所信を簡略に述べました。

 学生と教員と職員が一団となり、「継続と挑戦」、「若手育成の目線」、「世界市民としての国際化の推進」に取り組んで参りましょう。

令和6年10月1日
宮崎大学長 鮫島 浩

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