宮崎大学
ニュースリリース

葉緑体発達の新たなブレーキ役を発見-アクセル役だけでなくブレーキ役も必要-

2026年06月30日 掲載

葉緑体発達の新たなブレーキ役を発見-アクセル役だけでなくブレーキ役も必要-

宮崎大学農学部農学科・応用生命化学領域・稲葉丈人教授の研究グループは、理化学研究所・豊岡公徳上級技師らの研究グループと共同で、葉緑体発達の新たな調節因子を発見しました。
植物細胞が持つ光合成装置・葉緑体の発達は、「アクセル役」と「ブレーキ役」の働きにより環境に応じて適切に調節されています。今回の研究では、モデル植物・シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)が持つ構造のよく似た一群のB-BOXタンパク質(別名COLタンパク質)が葉緑体発達のブレーキ役であることを発見し、アクセル役として知られるGLKタンパク質と協調して葉緑体発達を調節していることを明らかにしました。
この成果は、角田宏太郎(大学院修士課程修了)ほか、本学農学部・植物生理学研究室の学生9名が修士論文および卒業論文研究で行ったものです。研究成果は、植物科学分野のトップジャーナルの一つである「Plant Physiology」の電子版に掲載されました。

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図. ルシフェラーゼを用いたアクセル役(GLK1)とブレーキ役(COL6)による光合成関連遺伝子(LHCB1.2pro::LUC)発現調節の可視化
LHCB1.2pro::LUCの発現(右上)はGLK1の作用により上昇するが(右下)、COL6を同時に作用させるとGLK1の作用が阻害され、発現上昇が抑えられる(左下)。COL6のみ作用させるとLHCB1.2pro::LUCの発現はコントロールよりもさらに低くなる(左上)。すなわち、COL6には光合成関連遺伝子の発現を抑える働きがある。

【発表のポイント】
●葉緑体は植物細胞が持つ光合成装置であり、その適切な発達調節は植物による物質生産に必要不可欠です。
●今回、モデル植物・シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において葉緑体発達の新たなブレーキ役因子を発見し、この因子がアクセル役と協調して葉緑体発達を調節していることを明らかにしました。
●発見したブレーキ役因子の機能改変と実用的な農作物への応用研究により、生産性の高い作物開発が期待されます。

▽詳細はこちらから▽
・プレスリリース 2026/6/30
https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20260630_02_press.pdf

【論文情報】
題名:Multilayered regulation of chloroplast development by single B-BOX CONSTANS-LIKE and GOLDEN2-LIKE proteins in Arabidopsis
著者:Kotaro Kakuda, Mari Abumi, Hiroko Kinoshita, Mami Higashi, Hibiki Shiiba, Shiho Shimizu, Shogo Kuramoto, Fumika Nishida, Karin Kawajiri, Kagari Sakugawa, Mayuko Sato, Kiminori Toyooka, Yasuko Ito-Inaba and Takehito Inaba* (*責任著者)
掲載雑誌:Plant Physiology(雑誌HP, https://academic.oup.com/plphys
DOI: https://doi.org/10.1093/plphys/kiag406

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