ニュースリリース
2023年09月13日 掲載
ケルセチンは、抗動脈硬化作用や抗肥満作用など多彩な生理機能性を示すポリフェノールの一種で、機能性食品の有効成分として期待されています。その反面、体内への吸収効率が極めて低く、また化学的に分解しやすい特性を持つにも関わらず脳内にまで移行するなど、吸収機構について未解明な側面がありました。石坂朱里助教、村上明教授(兵庫県立大学環境人間学部)、農学部応用生物科学科の山﨑正夫教授らの研究グループは、タマネギなどの野菜や果物類に広く含まれるケルセチンの体内への吸収機構や機能性発現機構についての新しい知見を論文発表しました。本研究成果は、2023年9月6日にMolecular Nutrition & Food Research誌(Impact Factor 6.5)でオンライン掲載されました。
●ポリフェノールの1種であるケルセチンを大腸がん細胞へ添加すると、一定時間後に、ケルセチンや代謝産物を含むEVが分泌されることを見出した。●ケルセチンをラットに投与すると、その血清のEV中にケルセチンやその代謝産物が存在することを証明した。●ケルセチンは水溶液中で化学的に分解しやすい性質を持っているが、EVに内包させると安定性や細胞への取り込み効率が顕著に増加した。●EVに内包させたケルセチンは、より低濃度で免疫細胞における炎症反応を抑制し、EVに内包されていない遊離のケルセチンに比べ遥かに高い抗炎症活性を示した。
▽詳細はこちらから▽・プレスリリース 2023/9/13 https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20230913_02_press.pdf
【論文情報】掲載誌:Molecular Nutrition & Food Research, 2023, 2300225論文タイトル:Role of extracellular vesicles in absorption and functional mechanisms of quercetinURL:http://doi.org/10.1002/mnfr.202300225
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