ニュースリリース
2023年02月09日 掲載
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、米国ハワイ大学マノア校、宮崎大学、チューリッヒ大学、横浜市立大学、マレーシア国サラワク森林局、高知大学の国際共同研究チームは、光学センサーが搭載された高頻度高解像度衛星PlanetScopeにより観測された分光データを用いて、東南アジア熱帯域特有の開花現象「一斉開花」を広域的にとらえることに世界で初めて成功しました。研究成果は2023年2月8日に「Ecological Research」誌に掲載されました。掲載論文の共著者として、テニュアトラック推進室の徳本雄史准教授が名を連ねています!
主なポイントは以下のとおりです。●高頻度高解像度衛星PlanetScope(※1)で観測された分光データの解析により、東南アジア湿潤熱帯域特有の開花現象「一斉開花(※2)」を世界で初めて広範囲にとらえた。●また現地の地上観測データに基づく検証を行い、今回の分光データが一斉開花現象の空間的な特徴をほぼ個体レベルでとらえていたことを明らかにした。●本研究成果は、他の熱帯域における開花季節観測への応用や熱帯多雨林の機能の理解の深化、樹種判別の高精度化、種間の開花季節の同調性のメカニズムの理解の深化などを促進することが期待される。
【用語解説】※1 PlanetScope:米国Planet Labs社が運用している高頻度高解像度マルチスペクトル光学センサーを搭載した人工衛星。1月16日現在、180機以上の衛星により、全球上のあらゆる地点を3-4mの空間分解能を持ってほぼ毎日観測している(https://www.planet.com/products/planet-imagery/)。マルチスペクトル光学センサーは、赤・緑・青の可視光と近赤外の波長を計測するため、人間の視覚と同様なRGB(赤・緑・青)合成画像や、植生指数(例えば有名なものとして、赤の可視光と近赤外の波長から計算される正規化植生指数:NDVI)を得られる。※2 一斉開花:森林内の様々な分類群の樹木が同調して開花する現象で、その開花間隔は1〜10年と不規則になっている。ボルネオなど東南アジア湿潤熱帯域のみでみられる。
▽詳細はこちらから▽・プレスリリース 2023/2/7 https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20230207_04_press.pdf・英語版(the College of Tropical Agriculture and Human Resources) https://cms.ctahr.hawaii.edu/NewsLetter/ArtMID/52574/ArticleID/2627/Seen-From-Space
本研究成果に関連する標本展示(熱帯樹木の種と昆虫)が宮崎大学農学部附属農業博物館で現在展示中です。ぜひお気軽に足をお運びください。
△ 標本展示(熱帯樹木の種と昆虫)
▼研究者データベース 徳本 雄史 https://srhumdb.miyazaki-u.ac.jp/html/100002346_ja.html▼テニュアトラック推進室 https://www.miyazaki-u.ac.jp/ttkikou/▼宮崎大学農学部附属農業博物館 https://www.miyazaki-u.ac.jp/museum/ ※開館時間:9:00-16:00(土日・祝日休館) ※入場料 :無料
【原論文情報】 論文タイトル ・Utility of Commercial High Resolution Satellite Imagery for Monitoring General Flowering in Sarawak, Borneo
PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerは Adobe Readerのダウンロードページよりダウンロードできます。
PAGE TOP