本研究の成果は、令和8年10月29日(日本時間10月30日0時)付でSpringer Natureから刊行される公衆衛生学分野の学術誌「BMC Public Health」に掲載されました。 ※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。
平均的な体格に比べ小さく生まれた子ども(SGA児)における、外遊びと成長との関連を検討した。
エコチル調査約1,800人のデータを用いて、外遊びと3歳時の成長との関連を解析した。
外遊びをする子どもでは、3歳時点でキャッチアップ成長に達する割合が高い傾向がみられた。
外遊びは、SGA児の成長に関わる生活習慣の一つである可能性がある。
2. 研究の背景 子どもの健康と環境に関する全国調査(以下、「エコチル調査」)は、胎児期から小児期にかけての化学物質ばく露が子どもの健康に与える影響を明らかにするために、平成22(2010)年度から全国で約10万組の親子を対象として環境省が開始した、大規模かつ長期にわたる出生コホート調査です。臍帯血、血液、尿、母乳、乳歯等の生体試料を採取し保存・分析するとともに、追跡調査を行い、子どもの健康と化学物質等の環境要因との関係を明らかにしています。 エコチル調査は、国立環境研究所に研究の中心機関としてコアセンターを、国立成育医療研究センターに医学的支援のためのメディカルサポートセンターを、また、日本の各地域で調査を行うために公募で選定された15の大学等に地域の調査の拠点となるユニットセンターを設置し、環境省と共に各関係機関が協働して実施しています。 Small for gestational age児(SGA児:在胎週数に比べて小さく生まれた子ども)は、出生後の成長や健康に影響を受ける可能性があります。特に、幼児期に十分な成長が得られないことは、将来の健康状態にも関係することが知られています。そのため、SGA児の出生後の成長に関連する要因を明らかにすることは重要です。これまでの研究では、妊娠中や出生時の要因について多く検討されてきましたが、出生後の生活習慣に関する研究は限られていました。 外遊びは、子どもにとって身近な生活行動の一つです。外遊びを行うことで、身体活動の機会が増えるほか、ビタミンDの産生に関わる日光を浴びる機会にもなります。そのため、外遊びは子どもの成長と関連する可能性が考えられています。しかし、SGA児において、外遊びと成長との関連を検討した研究はほとんどありませんでした。本研究では、エコチル調査の全国規模のデータを用いて、SGA児における幼児期の外遊びと3歳時点の成長との関連を検討しました。
8. 発表論文 題名(英語):Outdoor Play and Catch-up Growth in Small-for-Gestational-Age Children: A Nationwide Prospective Birth Cohort Study from the Japan Environment and Children's Study 著者名(英語):Yoshinori Aoki1, Michikazu Nakai2, Hirotake Sawada1, Hiroshi Moritake1, and the Japan Environment and Children's Study Group3