ニュースリリース
2020年11月27日 掲載
令和2年11月21日(土)にオンライン形式での公開講座「土呂久(とろく)に学ぶ環境学」をオンラインにて開催した。宮崎大学のキャンパスから講座を配信し、まちなかキャンパス会場(宮崎市若草通アーケード内)において4名が受講したほか、各自宅にて約15名が受講した。
講師を務めた川原一之氏は、記録作家として土呂久公害の教訓を次世代に引き継ぐ取組をしており、これまで長きにわたり、宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸の土呂久地区の旧土呂久鉱山で亜ヒ酸を製造する「亜ヒ焼き」が行われたことを原因に発生した土呂久公害について追跡調査を行い、土呂久の歴史の記録に尽力してきた。
講座の前半では、同地区において、「誠」「和」などの精神を大切にして、地区の住民が高利貸などから借金をして人生を破綻させることのないよう、助け合いによるネットワークづくりを目的として設立された「和合会」の歴史について丁寧な説明がなされ、後半では公害と戦う組織へと変わっていったことなどが説明された。
講義をする川原一之氏
まちなかキャンパス会場では、1966年から8年間高千穂町立岩戸小学校において小学校教諭として在籍していた当時に同公害を告発した齋藤正健氏も聴講し、地域に住む人々の安全を守るために闘ってきた当時を振り返りながら「約50年が経過するが、自分の中には公害が原因で命を落とした方々は生きている」「この教訓を忘れずに後世に伝えていかなければならない」と強く訴えた。
まちなかキャンパス会場の様子
宮崎大学では、地域で活躍するために必要な知識や能力を学ぶ「宮崎大学地域教育プログラム」において、高千穂町土呂久地区で複数回にわたり学生実習を実施してきたことが契機となり、令和2年6月に、土呂久公害に関する唯一の資料室や展示スペースを大学内に設置した。このような取組を通して過去の教訓を後世につなぐ取り組みを積極的に学生や市民など多くの人々に伝えることを推進している。
次回は、11月28日(土)・12月5日(土)に今回同様にオンライン形式で実施する予定しており、受講申込はホームページより受け付けている。
https://www.miyazaki-u.ac.jp/crcweb/news/open_class/20284/
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