ニュースリリース
2021年10月28日 掲載
宮崎大学では、Zoom を利用したオンライン形式で、日本とは全く異なる世界各地の野球事情を国内外に発信するユニークな公開講座「世界の野球事情」を実施しています。
本講座は、宮崎大学がJICA国際協力機構などをはじめとする海外におけるスポーツの普及活動を進める機関と連携しながら、世界各国で野球の指導経験がある日本人を講師に招き、年間20回シリーズで実施するもので、第1回目のスリランカ編(4/28開催)を皮切りに、9月末までに10カ国の野球事情について紹介してきました。
毎回の講座冒頭では、特別ゲストがオンライン上で登壇し、主審を務める形で当該国の野球などに関わるエピソードを紹介後、プレイボールの発声がなされて開始しており、前期はアジア野球連盟審判長の小山克仁氏、日本プロ野球機構選手会事務局長の森忠仁氏などに登壇いただいており、各講師がその国ならではの苦労話しを交えながらおもしろおかしく野球事情を紹介し、北は北海道から南は沖縄まで、毎回50名から100名程度の方に視聴いただいております。
10月13日(水)からは後期に入り、11回目のネパール編は、全国高等学校野球選手権(甲子園)で初となる外国人審判を務めたスリランカ人のスジーワ ウィジャヤナーヤカ氏が迫力あるプレイボールの発声に始まり、小林洋平氏とネパール人のイッソー タパ氏がネパール野球の歴史と現状を紹介しました。
(写真:雪に覆われたヒマラヤ山脈を背景にネパールで野球が行われる様子)
10月27日(水)の南スーダン編では、元オリンピックマラソンランナー谷口浩美氏(現宮崎大学教育・学生支援センター特別教授)が主審を務め、2021年東京オリンピック男子フルマラソンで銀メダルと銅メダルを獲得した選手がソマリア出身の難民であったエピソードを交えながらプレイボールの発声があり、続いて、元JICA南スーダン事務所長である友成晋也氏(現アフリカ野球・ソフト振興機構代表理事)に「紛争地にこそ野球が必用なワケ」と題して話していただきました。友成氏からは、タンザニア野球普及の際に大切にしてきた「Discipline(規律)」・「Respect(敬意)」・「Justice(正義)」の3つや日本人が大切にしている「礼」の精神を取り入れながら指導をしていくことで、人材育成にも大きく貢献していることや、現地の関係者から高い評価を得ていたことなどが紹介されました。また、日本の自衛隊が整備したジュバ大学のグラウンドに毎週末のように足を運ぶことで、野球を続ける選手が増え、さらには赴任当初よりも笑顔を見せる場面が圧倒的に増えたことなどが紹介され、スポーツを通じて人と心が育ち、健全な社会形成に役立てることができるなど、スポーツが持つ様々な可能性が紹介されました。
(写真:南スーダンにて野球のルールを説明する友成氏)
野球とソフトボールは、日本では人気スポーツの一つかもしれませんが、世界的に見ればマイナースポーツであり、オリンピックの正式種目としての復活を果たすには、柔道が世界のJUDOとなったように、世界各地に野球を広め、競技人口を増やしていく必要があります。
特に、宮崎大学がある宮崎県は、毎年多数のプロ野球チームが秋季または春季キャンプに訪れるキャンプのメッカであることから、このような講座を通じて世界各国で野球の普及に尽力している日本人の活動を発信し、世界各地にライバルを作っていくことが縮小傾向にある日本野球の発展にも繋がることを知ってもらうとともに、末永くキャンプのメッカとしてあり続けることができるように貢献していきます。
写真:ひなたサンマリンスタジアム宮崎にて撮影(2021.8.31 ソフトバンクホークス 対 楽天イーグルス)
後期第3回以降の講座詳細は、以下のページから詳細を確認できます。(申込受付中) https://www.miyazaki-u.ac.jp/crcweb/news/open_class/22336
宮崎大学公開講座「世界の野球事情」後期日程 ( )内は講師名 ※敬称略
第1回:2021年10月13日(水) ネパール(小林洋平、イッソー タパ)テーマ:協働 since 1999主 審:国際審判員 スジーワ ウィジャヤナーヤカ 氏第2回:2021年10月27日(水) 南スーダン(友成晋也)テーマ:紛争地にこそ野球が必用なワケ主 審:元オリンピック男子フルマラソンランナー 谷口浩美 氏第3回:2021年11月10日(水) ウガンダ(田中勝久)テーマ:ウガンダ野球の軌跡第4回:2021年11月 24日(水) ジンバブエ(堤尚彦、谷山直規)テーマ:ジンバブエ野球から学び高校野球指導に生かす第5回:2021年12月8日(水) タイ(青山功)テーマ:マイペンラーイ ~ マイペースで楽しむタイ野球 ~第6回:2021年12月22日(水) ブラジル(大見翔、八倉波平)テーマ:サッカー大国における野球事情第7回:2022年1月12日(水) ポーランド(坂元克己、渡辺龍馬、仕切義和)テーマ:ポーランドの野球事情第8回:2022年1月26日(水) ボツワナ(中村藍子)テーマ:野球のない国、ボツワナ共和国 ~ソフトボールが栄えたナゾとアフリカンソフトボールへの願い~第9回:2022年2月 9日(水) ベトナム(北堀学)テーマ:まだまだ発展途上のベトナムで、Baseballではなく日本の「野球」を通じて社会に通用する人間作りを第10回:2022年2月22日(火) 総括(阪長友仁)テーマ: 世界各国と比較しながら、これからの日本野球のあるべき姿を考える
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