2025年1月21日(火)、産業動物防疫リサーチセンター(CADIC:Center for Animal Disease Control)はタイのチョンブリ県にある Veterinary Research and Development Center-Eastern Regionにおいて、SATREPS事業で研究・開発を進めてきた食鳥肉殺菌装置の企業向け技術紹介セミナーを開催し、食鳥処理企業10社から21名、畜産開発局(タイ側カウンターパート)より16名、JICAタイ事務所 2名、カイジョー(株)(共同開発企業)5名、日系商社 1名、SATREPS 日本側 5名を含む計50名にご参加いただきました。
△セミナーでの技術紹介の模様
△セミナーでの技術紹介の模様
宮崎大学が全国でも有数の食肉生産地に立地する背景から、世界的に増加傾向にあるサルモネラやカンピロバクター等の食中毒菌の制御に産学で取り組み、食鳥肉に付着した食中毒菌を殺菌する高圧パルスジェット水流処理技術(HPPJS: High Pressure Pulse Jet Spray)や共振超音波照射技術を開発しました。タイでは、EU諸国に輸出した鶏肉がサルモネラ菌に汚染されているために、輸入が認められないケースがあるため、今回実施したセミナーでは、本技術のタイ国内での社会実装を目的として開催しました。
※SATREPS (Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)とは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムで、地球規模課題解決のために日本と途上国の研究者が共同で行う研究プログラムです。CADICが取り組むプログラム(世界の台所タイにおける家畜生産と食品安全に関する新技術導入による畜産革命の推進)は、ASEANのリーダー国であるタイの獣医系主要大学および行政機関と連携し、口蹄疫を含む重要家畜伝染病の早期診断、伝播疫学に基づく先回り防疫、畜産環境浄化技術、さらには食肉の安全性確保をテーマに、共同調査・研究および人材育成事業を柱とした産業動物防疫拠点ネットワークの構築を目的としています。