ニュースリリース
2025年11月27日 掲載
2025年11月19日(水)、宮崎大学木花キャンパス内にある地域デザイン棟において「宮崎TOPセミナー第40回(日向市長編)」を開催し、約40名の学生・教職員が参加しました。
今回のセミナーは、日向市の西村賢市長を講師に迎え、市長による講演と学生によるグループワークの二部構成で行われ、防災対策と「避難弱者ゼロ」への取り組みについて多角的に学ぶ機会となりました。
講演では、西村市長が政策目標『ニシムラチャレンジ5』に基づき、避難弱者ゼロを目指す防災対策を中心に語られました。南海トラフ地震の被害想定を踏まえ、津波避難タワーや避難山の整備、備蓄体制の強化、ハザードマップや自主防災組織の活用など、ハード面とソフト面の両方からの取り組みが紹介されました。特に高齢者や障害者、子どもを含む避難弱者への個別避難計画の重要性が強調され、地域の支え合いを基盤に「諦めさせない」という姿勢で取り組むことが示されました。
続くグループワークでは、「南海トラフ巨大地震が発生したとき、私たちはどう行動するか」をテーマに、学生たちがストリートビューを用いて避難経路をシミュレーションしました。看板や建物構造、負傷者や子どもを伴う状況などを想定しながら避難を試みる中で、冷静な判断の難しさや事前準備の必要性、避難弱者への配慮の重要性といった課題が浮き彫りとなりました。災害時には誰もが避難弱者になり得ること、そして日頃から意識を高めておくことの大切さが共有されました。
西村市長は講評の中で、災害は想定を超えるものであり、シミュレーションを通じてその難しさを体感することが大きな学びになると評価しました。さらに、過去の津波被害を例に挙げながら、災害の記憶を風化させないことの重要性を強調し、学生への感謝の言葉を述べられました。
最後に、鮫島浩学長が挨拶を行い、第40回の節目に触れながら、市長講演と学生発表を有意義なものと評価しました。災害を「自分ごと」として捉える姿勢や住民との連携、事前準備が命を守る鍵だと強調し、学生に防災意識向上を促しました。
参加者からは、「すごく学びになるセミナーでした。参加して良かったです。また機会があれば参加したいと思います。」、「市長のお話を直接お聞きすることができ、とても貴重な時間となりました。防災の意識も高まりました。」、「他の学生と話しながら、防災について自分事として考える機会があってありがたかった。」などの感想が寄せられました。
本セミナーは行政と学生の学びを結びつけ、防災意識を高める契機となりました。市長・学長のメッセージは、災害を「自分ごと」として備える重要性を示し、参加者にとって今後に活かせる経験となりました。
西村市長をはじめ、宮崎大学にお越しいただいた日向市役所関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
*本セミナーは、米良電機産業株式会社からの寄附により設置された寄附講座「地域デザイン講座」の主催事業として2017年度から、地域のポテンシャルを知り、地方自治を身近に感じて、宮崎の将来を考えてもらうきっかけをつくることなどを目的に開催されています。地域デザイン講座閉講(2021年度末)後も2022年度からは学生が主体となって企画・運営を行い、学生による学生のためのセミナーとして、研究・産学地域連携推進機構が引き継いで主催しています。
宮崎大学では、今後も自治体や地域企業などと連携を深めながら、地域に必要とされる人材を育成することができるよう努めてまいります。
【参考記事】木佐貫三股町長がまちづくりについて大学生と意見交換 ~ 宮崎TOPセミナーを開催 ~https://www.miyazaki-u.ac.jp/newsrelease/topics-info/-top-1.html
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