ニュースリリース
2025年07月08日 掲載
2025年7月3日(木)、宮崎大学創立330記念交流会館において、第15回宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC:Center for Animal Disease Control)国際シンポジウム「豚熱(CSF)の現状とこれまでの発生からの教訓」を開催し、オンラインも含めて約120名の皆様にご参加いただきました。
まず、Young Lyoo氏(カンザス州立大学 獣医学部・教授)から、朝鮮半島における豚熱の歴史的に見た概況と現在の状況について報告された後、山本 健久氏(農研機構 動物衛生研究部門・疫学昆虫媒介感染症グループ長)から、疫学的な観点から日本の豚熱流行について解説がありました。最後に、高井 尚治氏(岐阜県農政部 家畜防疫対策課・家畜防疫対策監)から2018年に岐阜県内で36年ぶりに発生した豚熱に現場で対応された経験から、発生時の対応と、その後の防疫対応について解説がありました。
また、講演後は、総合討論の時間を設け、フロアからの質問に3人の講師が答え、さらに議論を深めていきました。活発な意見交換が行われ、とても有意義な国際シンポジウムとなりました。
宮崎県では、2010年に発生した口蹄疫により、約7万頭の牛と約22万頭の豚が殺処分されるという未曾有の惨事に見舞われたことから、2011年に、日本で唯一の産業動物感染症を専門に扱う研究センターとしてCADICが開設されました。CADICでは、アジアにおける産業動物感染症の研究拠点として最先端の研究を推進するとともに、国際協力機構(JICA)や県などと連携しながら人材育成を行い、日本のみならず海外からも多数の学生や研究者を継続的に受け入れています。また、設立以来、年1回の国際シンポジウムを開催してきており、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、アフリカ豚熱などの悪性産業動物伝染病に関する最新の知見や情勢などを提供してきました。
CADICでは、引き続き、産業動物感染症制御に関する先端研究に取り組み、産業動物防疫活動においてグローバルに活躍できる人材の育成に努め、本県をはじめとする畜産業の発展に貢献してまいります。
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