宮崎大学
ニュースリリース

いつかは故郷宮古島の力になりたい
川田美琴(かわた みこと)さん

2022年09月28日 掲載

川田美琴(かわた みこと)さん

2021年3月 宮崎大学地域資源創成学部卒業
2021年4月 株式会社JTB入社 (現在に至る)

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1998年4月4日生まれ。沖縄県宮古島市出身。
沖縄県立宮古総合実業高等学校卒業後、宮崎大学地域資源創成学部に第2期生として入学。
卒業後、株式会社JTBに就職し、現在は宮崎支店営業課にて主に法人営業を担当。
学生時代は根岸裕孝ゼミに所属し地域経営学を専攻。
卒業論文のテーマは、「沖縄県宮古島市のオーバーツーリズム問題と目指すべき持続可能な観光とは」。

中学時代はバドミントン部に所属。
高校でもバドミントン部で奮闘する傍ら、島ラボ部に所属。

島ラボ部とは;
「宮古島の地域課題に着目し、課題解決のための様々な取組を行っていこう!」という活動です。具体的には、宮古島で伝統的に行われている「アギヤー漁(沖縄県の県魚グルクン(タカサゴ)を獲る漁法)」の後継者不足問題に着目し、グルクン、宮古島の飲料水である地下水の保全のために栽培されている「日本そばの実」、宮古島の「宮古みそ」を使って、「油みそ」の開発を行い、そのみそを活用した商品開発を色々と行っていました。なんだか頭良さそうに見えますが、要するに「課題をもつ食材を使った商品開発を行い、PRをしてみんなに知ってもらおう!」ということをしていました。

好きな動物:うし
家族構成:母・兄2人
尊敬するひと:私のお母さん

宮古島から宮崎へ

みなさんは宮古島のこと知っていますか?宮古島は、沖縄本島の下の方にある三角形の島です。宮古島と伊良部島を繋ぐ約3㎞続く伊良部大橋や、東洋一美しいとも言われる与那覇前浜ビーチが有名です。出身高校は「沖縄県立宮古総合実業高校」。水産食品を学ぶ食と環境科フードクリエイトコースに通っていました。

2年生の頃、私の担任だった吉田竜太先生が大学進学を熱心に勧めてくださり、進学を志すようになりました。また、沖縄県内の専門高校生を対象としたオーストラリア研修に参加し、参加者の熱心に学ぶ姿に感銘を受け、さらに大学進学への気持ちが強くなりました。

「大学へ行こう!」と思うようになってから、食品学科でも大学へ進学できる方法を考え、当時学んでいた食品を軸に、宮古島の地域課題に着目した製品開発に取組むようになりました。沖縄県内のコンビニでオリジナルおにぎりを販売したり、研究発表大会に参加し、2年間で3度も全国大会へ出場することができました。離島に暮らす高校生ながら、非常に活動的な高校生だったな・・・と思います。

そのような取組をするのちに、進路活動の時期がやってきました。当時の私は、宮古島の環境問題に興味を持ち、自分に出来ることは何だろうと考えるようになりました。そして、「宮古島の未来を担う人材育成を行いたい」と想うようになりました。

進路担当の先生に宮崎大学の地域資源創成学部をご紹介いただき、パンフレットの「地域を創るリーダーになろう」の言葉に、非常にワクワクしたのを覚えています。
私は直感を信じるタイプなので、迷うことなく「ここだ!」と思い、パンフレットを見た次の日には、願書を提出しました。笑

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△ 沖縄県代表として望んだ九州地区水産・海洋高等学校生徒研究発表大会にて(2016年)

■ 夏の思い出 ~ ビジネスプランコンテストに挑戦 ~

ビジネスプランコンテスト(ビジコン)には、同じ学部の甲斐彩花さん、河野龍摩くんと一緒に参加しました。参加のきっかけは、「この世界を良くしたい!」とか、「困っている人を助けたい!」とか、そんなにカッコイイものではなく、「夏の思い出作りたいな~」と思ったからです(笑)。彩花さんと龍摩くんとは、大学1年生の頃から仲良しで、講義の座席はいつも3人並んで座っていました。「夏の思い出作り」には最高のメンバーだったと思います。

コンテストで取り組んだテーマは「LGBT当事者の見えない痛み(非当事者にはわからない精神的な生き辛さ)を取り除く」こと。チーム名は「CONNECT(コネクト)」です。プランで着目したのは「不動産仲介事業」です。プラン作成の際、当事者約1,000人を対象にアンケート調査を行いました。「お部屋探しの際、自分たちの関係をどのように伝えたか」と質問したところ、回答者の半数以上が「友達同士だと偽って入居した」という結果となりました。どんな人にも好きな人がいて、その人と一緒に暮らし始めるという幸せいっぱいな時に、嘘をつかなければならない。そのような、自分の本当の気持ちを隠すことへのストレスを少しでも減らすためのサービスを目指して、取り組んでいました。

コンテストでは、宮崎大学長をはじめ宮崎銀行頭取や企業の役員の皆様方が審査員を務めるなかで、とても緊張しましたが、宮崎銀行頭取賞を受賞することができました。また、勢いそのままに、九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストにも出場し優秀賞を受賞することができたのは、大学時代の忘れられない思い出です。

hito_01kawata_04.jpg△ プレゼンテーションをする川田さん(2018年)

■ 見えない痛みに寄り添う

ビジコン出場を通じて得たものはたくさんあります!お金をどうやって生み出すのか、社会に必要とされるサービスはどんなものなのかなど、頭をフル回転させながら、3人で知恵を出し合い、土屋有先生をはじめとした多くの方々の協力を得ながら取り組みました。大学生のうちに、ビジネスを考える機会を得られてよかったなと思います。

また、最近「多様性を理解する」という言葉をよく耳にしますが、私たちはビジネスプランコンテストを通して、その言葉に真剣に向き合えたと思います。「見えない痛み」に寄り添ったプランを提案するためには、まず私自身が「見えない痛み」を理解する必要がありました。約半年間その問題に向き合ってきましたが、「見えない痛み」の根っこには、世間からどう見られているのかという不安や、「当たり前」という価値観が押し付けられている状態が存在していると思います。グループの2人との話し合いの中でも、それぞれの考え方が出てくるように、十人十色な価値観を認め合うことの大切さを学ぶことができました。

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△ 九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテスト参加の時(2018年)

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△ 当時の宮崎銀行平野頭取と仲間と一緒に(2018年)

■ 充実の4年間に感謝

ビジコン以外にも、宮崎県の西都市にある銀鏡(しろみ)で、柚子取りのお手伝いをしたり、島根県の海士町や鹿児島県の種子島、熊本県の上天草にて中長期のインターンシップをしたりと、「楽しそう!やってみたい!」と思うことに積極的に取り組んできました。様々な経験を通して、たくさんの人との出会いが生まれ、自分の考え方や価値観が急成長・急拡大した4年間となりました。

特に、大学2年生に初めてインターンシップを行った島根県の海士町(あまちょう)は、人口約2,200人の小さな島とは思えないほど、人々に活気があり、まちづくりに必要なことは、地域で暮らす人々が地域への誇りと未来への希望を持ち続けられることだと実感することが出来ました。また、鹿児島県の中種子町、熊本県の上天草市でも長期間のインターンシップを受け入れていただき、地域づくりの現場を実践的に学ぶことが出来ました。

そして、大学4年間の集大成として、「沖縄県宮古島市のオーバーツーリズム問題と目指すべき持続可能な観光とは」という課題で卒業論文に取り組み、私の宮古島への重すぎる愛をたっぷり綴った卒業論文が出来上がりました。

こうして振り返ってみても、非常に充実した4年間だったと思います。大学4年間を通して出会ったすべての皆様、そして、大学進学を後押ししてくれた母親をはじめとする家族や宮古島で出会った友人、先生方の全ての皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

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△ 大学時代はこのような感じで中間と楽しく議論してました

■ 現在のお仕事について教えてください

宮崎大学を卒業後、株式会社JTBへ入社しました。現在2年目に入り、宮崎支店の営業課で、社員旅行や修学旅行などの団体営業を担当しています。慣れない業務の中で苦労することも沢山ありますが、「旅行」という楽しいものを提案するお仕事ですので、自分自身も楽しみながらお仕事しています。

入社当初から新型コロナウイルス感染症の影響で、旅行のお仕事が少ない状況ではありますが、お客様にご満足いただける旅行となるよう、お客様に寄り添った企画のご提案を心掛けています。また、自分の企画した旅行に添乗員として同行し、お客様の様子を近くで見ることが出来るのもこのお仕事のやりがいだと思っています。

旅行後に、写真や感想を綴ったお手紙を頂いたこともありました。まだまだ経験不足でお客様へご迷惑をおかけすることもありますが、次回、ご依頼をいただける際には、成長した私でご旅行のお手伝いをさせて頂きたいという心意気で取組んでいます。

また、JTBは旅行以外にも幅広いお仕事をしています。私が現在取組んでいることは、「地域住民が地域への誇りや愛を再認識してほしい」という自治体の課題に対するご提案です。このような大きな課題に対して、JTBに何ができるのかというところからスタートし、自治体の方々と協議を重ねています。まるで、地域資源創成学部の延長線上でお仕事しているような感じです!このような幅の広い分野のお仕事を経験しながら、自身の目標に向かって取組んでいます。

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△お客様に説明をする川田さん(2022年)

■ これからの夢や目標があれば教えてください

社会人になって自分のこれからの目標を考える機会が増えました。正直なところ、まだ具体的な目標はありません。しかし、私の大きな夢は、私がおばあちゃんになる頃まで、ふるさと宮古島の豊かな自然が残り、「ここで生まれ育ってよかった!」と心から思える場所を存続させること。そして、私の次の世代まで、その思いを繋ぐことです。目標が大きすぎて、何をしていいのかわかりませんが、少しずつ自分に出来る小さな一歩を踏み出していきたいと思います。

こんな大口を叩いてみましたが、私はすごい人でも、頭のいい人でもありません。どこにでもいる(でも少しだけモチベーションの高い)人です。これからも、沢山の方々との出会いの中で、私らしく成長できればと思っています。宮崎の皆さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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△ 宮崎県西都市銀鏡での柚子狩り


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