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2024.02.29
電気電子工学プログラム

計算科学に基づく数値解析技術の統一的構築と電気電子工学における利用技術の研究

電気電子工学プログラム|武居 周 准教授

プロフィール

  • 学位取得大学:東京大学
  • 留学経験:ドイツ・Goethe University of Frankfurt
  • 受賞歴:日本シミュレーション学会論文賞(2022年8月)、JACM Fellows Awards, 日本計算力学連合(2021年8月)、電子情報通信学会 優秀論文発表賞(2021年3月) 他

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  • 新聞記事掲載:宮崎日日新聞(2024年3月)

武居 周 准教授

電磁界シミュレーション

WiFi通信や医療マイクロ波デバイス動作の原理となっている電界と磁界の伝搬の様子を明らかにする手段の一つが、電磁界シミュレーションです。電界と磁界の伝搬過程で金属や誘電体によってねじ曲がったり反射したりを繰り返します。このように広範囲で複雑な振る舞いをする電磁界を高精度にシミュレーションするためには、高性能な並列計算機と、その性能を十分に引き出すことができる高度なアルゴリズムが必要となります。

ADVENTURE_FullWaveによる超大規模電磁界シミュレーション

本研究で開発した並列電磁界シミュレータ:ADVENTURE_FullWaveによりこれまでに並列計算環境において効率良く動作する並列化アルゴリズムを開発し、世界最大級となる160億要素規模の高周波帯域の電磁界解析を数時間で完了することに成功しました。現在は、ADVENTURE_FullWaveの産業応用や医療応用に向けて、計算アルゴリズムの改良による更なる高速化・省メモリ化に向けた研究開発を推進しています。

高性能電磁界シミュレーションによる、マイクロ波メスを用いる手術環境の、更なる安全・安心の実現―

マイクロ波メスは、高周波電磁界の熱効果により、生体組織を凝固させながら切開することが可能であり、出血量低で患者の体に優しい手術デバイスです。一方、100Wもの大出力の電磁界は出力するため、手術室内の他の機器への電磁界影響評価が必要となります。その実現のために、ADVENTURE_FullWaveを適用し、マイクロ波医療環境の更なる安全・安心の実現に向けた取組みを推進しています。

高校生の皆さんへ

電磁界シミュレーションは、電気工学、情報科学の融合により実現し、これによって高精度な製品設計や医療現場の安全・安心が実現します。電磁界シミュレーション研究を、世界に向け発信する活動を一緒にしませんか?


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