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2024.01.22
土木環境工学プログラム

自然と調和した川づくりを目指す環境調査・解析に関する研究

土木環境工学プログラム|糠澤 桂 准教授

プロフィール

    学歴・経歴

  • 2008年3月 岩手大学工学部 卒業
  • 2013年3月 東北大学大学院工学研究科 博士(工学)
  • 2021年4月~宮崎大学工学部 准教授
  • 受賞歴

  • 土木学会第65回年次学術講演会「優秀講演者表彰」
  • 平成24年度東北大学「工学研究科長賞」
  • 応用生態工学会第22回研究発表会「優秀ポスター研究発表賞」 ほか
  • 留学・海外経験

  • 2011年6月~12月 ドイツ・ライプニッツ淡水生態学研究所(ベルリン)に研究員として滞在
  • 2014年9月~2015年2月 フランス・農業環境研究所(リヨン)に研究員として滞在

糠澤 桂 准教授

異分野の知識・技術を融合して河川環境を深く「理解する」

気候変動や異常気象が叫ばれ,2021年現在,毎年のように豪雨に伴う河川の災害が頻発しています.河川管理は「治水」「利水」「環境」の3要素から取り組むことになっています.しかし,気候変動も踏まえて現実的に起こり得る洪水を予測してそれに備える「治水」に対して,「環境」は限られた調査データと検討にとどまっているのが現状です.その理由として,環境・生物の調査はコストが大きいこと,評価方法が確立されていないことが挙げられます.

河川防災と環境の関わりに関する研究事例:ダムの功罪の科学的検証

河川防災に重要なダムは,河川の水量を変えたり,土砂を貯めたりして,下流の河川環境を悪化させる恐れがあります.私の研究室では,この影響を調べるために,水文学による解析とフィールド調査を実施してきました.研究成果の一例として,ダムによる水量変化がマップ化され,その生態系への影響も予測できるようになりました.現在はDNAを用いた調査や機械学習も活用して,宮崎から世界に発信する研究を鋭意進めています.

自然共生可能なまちづくりや社会への貢献

水循環において降った雨が一つの河口に集まる領域を「流域」と呼びますが,世界中で流域の環境は大きく変化しています.その原因は,河川防災のみならず,気候変動や開発,農業など多様です.本研究の成果は,最先端の科学的知見・技術を集結することでこうした流域環境の変遷を深く理解して,「環境悪化を防ぐためには,このような進め方や対策をしましょう」と管理者やステークホルダーなどへ提言することにつながります.

高校生の皆さんへ

土木=土方・肉体労働などのイメージかもしれませんが,実際は橋梁や都市計画,防災,環境保全など幅広く私たちの生活基盤を守る分野の教育・研究を行っています.一緒に「土木」で,自然共生可能な社会を未来に残す仕事をしませんか?


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