研究紹介
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2024.02.29
土木環境工学プログラム

循環型社会形成に貢献する地盤改良技術の開発

土木環境工学プログラム|末次 大輔 准教授

プロフィール

学歴・経歴

  • 学位取得大学:九州大学

受賞歴

  • 科学技術振興機構(JST)STI for SDGsアワード(2021年度)

メディア出演

  • MRTラジオ「みんなの防災」等

末次 大輔 准教授

木材を使って地盤を強くする

軟弱な地盤上に構造物を建設する際には,地盤をその荷重に長期間耐えられるように強化されます。近年は人類の活動で排出される二酸化炭素を大幅に削減することが強く求められています。光合成で成長する木を使えば大気中の二酸化炭素を固定化することになり削減に貢献できます。私たちの研究室では,このような木材を使って十分な地耐力を持たない軟弱な地盤をメンテナンスフリーで強くする方法について研究しています。

木杭が支える力は金属杭よりも大きい

実物のおよそ1/30スケールの木製の杭と金属製の杭の模型を使って,軟弱粘土地盤中に模型杭を押し込む実験で,木杭がどのようなメカニズムで荷重を支えるのかを調べています。木杭は金属杭よりも大きな荷重に耐えることができることが分かりました。木杭は粘土中の水分を吸収し,それによって杭周辺の粘土の強さが大きくなることが明らかになりました。そして,木杭特有の形状も荷重を支えるプラスの効果があることもわかりました。

CO2を削減しながらインフラを整備し,地域の活性化に貢献します

木材は従来の杭には無い機能があります(図3)。木材が持つ地盤内での様々な機能を明らかにしてより効果的に利用する必要があります。木は地盤の中では腐朽せず、半永久的にその機能を発揮し続けることは多くの歴史的構造物も示しています。木はメンテナンスフリーで地盤を強化することができます。宮崎県は林業が盛んな地域です。木を使うことは森林整備の促進や地域産業の更なる活性化にもつながります。ひいては、再生可能な資源を利用して持続性のある社会を実現することで、大切な自然環境を次世代に引き継ぐことができると考えています。

学生へ一言

私たちは研究フィールドとしての宮崎の地の利を生かして,地域環境と調和や防災減災に関わる地盤工学の研究に取り組んでいます。将来の豊かな社会づくりに役立つ新しい地盤技術・土木技術について私たちといっしょに考えていきましょう。


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